大阪地方裁判所 昭和37年(ワ)964号 判決
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〔判決理由〕二、損害の発生
本件事故負傷により原告に生じた損害については、原告主張の別表「損害明細」のうち、1の(ル)をのぞくほか、相当因果関係の範囲にあるものとしてすべて認めることができる。認定上特記すべき事実は左のとおりである。
1 原告は負傷により三七年三月一一日まで約一〇ケ月入院を要した。
2 その間手術を左のとおり三回受け、入院中ギブスをはめ続け、耐えがたい苦痛と不便を味つた。
(1) 第一回は入院より約一〇日目に金具を骨折部にあてがい接骨した。
(2) 第二回は三六年八月末頃、接骨部分の具合が悪いので金具を取除いた。
(3) 第三回は同年一〇月末頃、右腰骨を一部削り取り骨折部に移植した。
3 退院後約一ケ月往診治療を続け、その後同年四月より九月末まで自宅にてマツサージ療法を続けた。
4 現在膝は直角程度にしか曲らず、坐居、排便が困難で、走ることもできなくなつた。天候、季節の変り目には骨折部の鈍痛に襲われる。
5 事故当時原告は大阪工業大学建築科二回生で、牛乳配達のアルバイトを一年余続けて学業にいそしんでいたのであるが、負傷治療のため、二年間休学せざるを得ず、ために社会に出て就職することも二年間遅延の憂目にあつた。
6 負傷することがなければ昭和三九年三月卒業、四月就職の予定であつたところ、三九年四月当時の大学卒業生の初任給は月平均金一八、〇〇〇円を下ることなく、したがつてまた二年休学、卒業延期により、毎月平均その六割の額の二ケ年分総計金二五九、二〇〇円を下らない得べかりし利益は少くとも失つたことになる。
7 家族より離れて、入院生活を余儀なくされた場合、別個に新聞購読の要あるは現代生活上の必需品として当然で、その購読料は右入院期間よりして別表(二)の範囲で当然予想できる損害といえる。
8 別表(ロ)(ハ)、(ホ)(ト)、(リ)、(ヌ)の各損害も証拠上数量的な特定はないけれども少くとも右各項主張の範囲での損害は前示入院治療付添の程度から出費したものといえる。
9 ただし(ル)の病院交際費は性質上被告が負担すべき、相当因果関係にある損害ということはできない。
(資料<省略>)(亀井左取 舟本信光 今枝孟)